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医療の現場から

「初めてペットを飼う」(後編)

猫ちゃんは、世代、家庭環境に関係なく、まんべんなく飼われています。ワンちゃんに比べ、躾や、散歩の必要がないため、猫ちゃんの方が手間がかからないといえます。しかし、猫ちゃんも品種によってもずいぶん性格が変ってきます。それを知らずに見た目だけで飼ってしまうと、「こんなはずじゃなかった」ということにもなりかまねません。ワンちゃんは散歩の途中で出会った飼い主の方からもいろいろな情報を手に入れられますが、猫ちゃんの場合は、そのような機会が少ないため、いろいろ誤解している方が、多いのではないかと思います。

◆ペットの遊び場所を知っていますか
猫を飼いはじめるとき、ロシアンブルーがいい、スコティッシュ・フォールドがいいといったように、あらかじめ特定の品種を選択されている方もいますが、実際には野良猫を拾ってきた、生まれた子供を分けてもらった、といったことの方が多いです。この場合にはそのほとんどが雑種であり、品種を選択することはあまりありません。

ワンちゃんの場合は、たとえば、チワワが体重60Kgになることもないし、セントバーナードが3Kgで終わることもないので、その性格とともに、成犬の大きさが推定できます。また品種によっては多い病気などもあります。しかし雑種の猫ちゃんの場合は、性格もなりやすい病気もその子次第というところがあります。

今の日本ではまだ、外で飼われている猫ちゃんも少なくありません。この外で飼われている外猫の中には、地域猫というのがいます。地域猫の中には複数の家で別の名前で呼ばれているような子もいます。また、たくさんの地域猫を世話している猫好きの人につく子もいますし、多分その両方の行動をするタイプもいるでしょう。しかし、外に放すことは、伝染病の感染(特になおらない伝染病)や交通事故、フン害なども含め、猫ちゃん自身のことや近所付き合いを考えると、お勧めはできません。

よく猫ちゃんを室内だけで飼うとストレスが多いのではと心配される方がいます。猫ちゃんは、基本的に縦の運動が好きなので、家の中にキャットタワーのような垂直に移動できるものを作ったり、押し入れに隙間をあけて探検させたりすることにより、ストレスの解消がはかれます。縦の運動をさせるにあたっては、それほど広さは必要ないのです。だから工夫次第でなんとかなります。このように上手く猫ちゃんのストレスを解消させてあげられれば、外に出すリスクと、家の中で遊ばせるリスクの二点を考えてみても、外に出さなければならない、という絶対的な理由はないです。

猫ちゃんやワンちゃんについていえば、猫ちゃんは垂直方向(縦型)の運動、ワンちゃんは水平方向(横型)の運動を好むといえます。これを人間関係に例えると、縦型は信頼のおける友と深く付き合い、横型は信用のある多くの友との交流を楽しむ、というように考えるとわかりやすいでしょう。人間にも、縦型(独自的)、横型(社交的)がいるかと思いますが、その意味では、人と「猫」や「犬」との相性というのもあるのかもしれません。
◆洋猫の特性と病気の悩み
個人的な印象として洋猫ちゃんには性格のきつい子が比較的多いようです。チンチラのような「長毛」のタイプの猫ちゃんは毛玉ができやすいので、毎日ブラッシングするか定期的にバリカンで短く刈るなどの、こまやかなケアが必要で、放っておくと手がつけられなくなることもあります。長期間お手入れ無しでいたために、全身の毛玉がからまってしまい、毛玉がつれて痛くて歩けなくなってしまった、なんていう子が実際にいました。また、チンチラのように顔のつぶれた短頭種は食べるのが下手で、5回のうち4回は、ぼろぼろと落してしまうといわれているほどです。

耳の折れまがっているのが特徴で、今大人気のスコティッシュ・フォールドという猫がいます。手足が短く、全体として骨格が丸々して、とてもかわいいです。しかし、この猫は、手足の関節がぼこぼこ腫れてくる病気(異形成症)になりやすい傾向があります。なかには発症率は100%と述べている論文もあるくらいですから、ほぼ発症すると考えてもいいでしょう。現在のところ、治療法がみつかっていません。

成長するに従って発症するのですが、成長のいつの段階ででてくるかははっきりとは分かりません。すでに、耳の折れたスコティッシュ・フォールドの同士のかけ合わせは禁止されており、アメリカではアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘアとかけ合わせるなど改良を重ねています。しかし、イギリスでは、動物愛護の精神から、病気の発生率の高いスコティッシュ・フォールド自体を品種として認めない、ということまできているようです。

猫ちゃんも抜け毛というのは結構ありますが、短毛の猫ちゃんの場合、ブラッシングを充分行っておけば、定期的なシャンプーはそれほど必要ありません。その辺はワンちゃんと違うところです。
◆探しておこう、動物病院
ペットを選ぶ前には、家族の生活環境とペットの特性もさることながら、健康や食事、病気予防や治療などについても、考えておかなければなりません。その意味で、動物病院は重要な位置づけにあります。

生活環境面でいえば、誰が面倒をみるか、ということも重要です。動物病院にペットとともに診察に連れてこられる方としては、一人でお住まいの方はご本人が来られますが、ご家族で飼っている方は、やはりお母さんがよくみられます。情操教育という意味合いであれば、お子さんと一緒に来院するのも良いことだと考えていますが、ただ実際に診察に時間がかかると、ご一緒にきたお子さんは退屈に我慢できなくなることも多いです。そうするとお母さんが恐縮されてしまい、次回来院されたときにはお子さんを連れて来なくなってしまうことも少なくありません。そうでなくても、子供は学校があり、お父さんは会社での仕事があるので、結果的に、お母さんが一人で連れてくるということが多いです。

健康面で、普段、注意することは、くしゃみ・鼻水のチェック、またウンチの硬軟などのチェック、体重の増減などです。初めて飼うとウンチの硬軟がわからないもの。フードの関係もありますが、標準的には、人間に比べ、ペットの方が固めです。拾った時に、地面につかないのくらいが健康的ともいわれています。

また、避妊や去勢の時期も考える必要性があります。日本では6カ月前後で行うことが多く、米国では3カ月以上になったら行うことが推奨されています。猫ちゃんの場合、季節発情なので初回発情を迎える年齢が生まれた時期によって変わってきます。実際に避妊・去勢を行う時期に関しては獣医さんで意見が分かれるとことなので、信頼のおける動物病院を探しておくことが賢明です。

新たなペットを飼う過程の中で、一番長く付き合うのが動物病院。最近では、電車でも使えるかわいいキャリーバッグを、ペットショップなどで販売していますので、これを使って出かければ、多少の距離でも移動は可能です。動物病院は、ペットを販売するところではありませんが、ペットの本来持つ特性、かかりやすい病気なども含め、飼う前の的確なアドバイスをしてくれるところもあります。ぜひ、飼い主ご自身で通院しやすい動物病院を探してみてください。

自分や家族のパートナーとして長生きしてもらうことが、飼い主の願いでしょう。長生きの秘訣は、ストレスをなくすこと。おいしいものをたくさん食べ、運動をたくさんおこない、そして思う存分遊んでやることにより、少しでもストレスを貯めさせないことが大切です。

あしあと動物病院 院長  久保 純
2007年4月、東京都豊島区に「あしあと動物病院」を開業。
最寄駅は都営荒川線「鬼子母神駅」
飼い主さんとペットのための医療を目指し、最新の情報と技術を取り入れながら、
気軽に相談できる環境作りに配慮しています。
あしあと動物病院ホームページ

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