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医療の現場から

【ペットの肥満予防法】

近年、ペットの肥満問題がマスコミの話題として取り上げられますが、飼い主としては、自分のペットの体調は大いに気になるものです。比較的、多くの方が相談にこられる「肥満」について、飼い主自身の質問の中から、その原因と対策を探っていきます。

◆Aさん:「最近、肥満のペットが多いと聞きますが、どうしてなんでしょうか?」
病院の開業後も継続して実施している研究テーマのひとつに、「ペットフードの研究」があります。この研究の中で気がついたことは、ペットの性格や体系などは、意外と飼い主に似てくるということです。短気な飼い主のペットは短気であるし、肥満のペットの飼い主もやはり太っている、という傾向があります。

ペットの肥満は、人間の肥満と同様に、摂取量と消費量のバランスが大きく影響します。摂取する量が多すぎるか、または消費量が少な過ぎれば、当然、肥満という形で体に現れます。また、家の中で飼っている方も多いことから、運動量が減ったこともありますが、最近のフードの中には、栄養価の高いものが多いことから、摂取量の間違いにより、そのバランスを崩していることもあります。
◆Bさん:「なにを基準に、肥満かどうかを判断すればいいのですか?」
肥満かどうかを判断するには、犬や猫を対象とした「ボディーコンディションスコア(BCS)」など、肥満度を指標化している表がありますので、この標準値を基準に考えると肥満度がわかりやすいです。たとえば、理想体重と体脂肪とを測ると同時に、さらに全体のふくらみなどをみてみると、おおよその肥満度を推定することができるでしょう。

歩けなくなるほどお腹がたっぷりしたペットを見かけることがありますが、人間と同様、太りすぎはいけません。正面や上からだけみていると、お腹の重みで、一見痩せているようにもみえることもあるので、横からのお腹のでっぱり具合、首筋などの太さなどをみることも心掛けてください。

小型ペットから大型のペットまで、その種類、大きさの幅は広いことから、食餌量がわからない場合には、とりあえず、標準の量を与え、体型をよく観察するということでもかまいません。少し太り気味になれば量を抑えるなど、そのペットの個性にあった分量を見つけることが一番いいです。でも、あまり神経質にならないでくださいね。
◆Cさん:「肥満になると、どのような影響があるのですか?」
ペットも、太りすぎ、特に脂質過多になると、糖尿病、高脂血症など、人間の成人病といわれる、生活習慣病と同様の症状が発生。放っておくと、心臓病や、場合によっては、脳血栓などの障害を起こす可能性が高まりますので、気をつけてください。少しでも長く生きてもらうためには、からだに悪影響のあることは、排除していくことです。
◆Bさん:「どのような食べ方をさせればいいですか?」
成犬のフードの場合には、中年太りにならないよう、1日1~2回程度におさえましょう。小さい頃は、成長の過程にあるので、1日3~4回。年をとったら、内臓に負担をかけないためにも、低カロリーのフードに変えて、1日2~3回程度にします。もともと、犬は本能的に際限なく食べる習性があります。食べられる時に食べておかなければならない、という野性的習性ですね。

猫の場合は、自己調整力があることから、お腹がいっぱいになれば、残してしまいます。比較的、猫より犬に、肥満の傾向があるのは、このためです。しかし、時として、その調整力が壊れると、猫でも肥満になってしまいます。また、飼い主、ご自身の昔の体験から、ついついたくさん食べ物を与えてしまう、といったこともあるようで、与えすぎには、十分、注意しましょう。

おやつのあげすぎもよくないですね。チョコレートが好きだからといって、好きなだけ子供に食べさせることをするでしょうか。できれば、おやつは少なめにした方がいいです。かわいいからといって、ついついフードをあげてしまいがちですが、少しはセーブしなければなりません。散歩の途中、おいしいおやつを用意してくれる親切な方もいるようですが、考え方によっては迷惑なことです。とはいえ、断りにくいかと思いますので、そんな時は散歩道をかえるのもいいかもしれません。
◆Aさん:「健康のためにも、ダイエットさせたいと思うのですが。」
ダイエットさせるのはいいのですが、1歳以下では無理です。人間でも、小学生のころからダイエットさせれば、当然成長に支障をきたします。もし、肥満の傾向があれば、ダイエットは成犬の頃から始めるといいでしょう。

特に気になるのは、犬の場合、必要以上に痩せさせるために野菜を多く食べさせることなど、ダイエットを「強要」するということです。そもそも犬は、狼を祖先にもつ肉食系の動物なんです。決してベジタリアンではありませんヨ。その意味では、「野菜を食べなさい!」というのは、犬にとっては、とても厳しい要求なんですね。
◆Aさん:「それにしても、減量させたいのですが。」
わたしのところにくる飼い主の方の中には、ペットが肥満であっても、「何もあげていません!」と言い張る方もいらっしゃいます。たしかに人間でも、水だけでも太ってしまう、という方もおりますが、前述の通り、摂取と消費の関係なので、是非とも、バランスを考えてあげてください。

飼い主の方が旅行をするというので、うちの病院で、1週間から10日ほど預かるのですが、なぜか肥満が治ってしまいます。うちでは、単に規定量をあげているだけなんですよ。ただ、肥満はよくないとはいえ、痩せているより、多少は太り気味の方がいいように思います。無理をせず、健康を維持していくことが、長生きの秘訣だと思いますね。

深町 輝康 先生
現在、千葉県内に「スマイルどうぶつ病院」を3院(みもみ、津田沼、美浜)開業し、動物を病気にさせない予防医療に力点を置きながら、地域の飼い主にペットライフのサポートも含めて健康面で貢献されています。
スマイルどうぶつ病院ホームページ

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